休日は神官戦士!

竜と『私』

違う世界、というのは少々語弊があったかもしれない。  だが人間は「想像を絶する光景を目にしたとき」には、そう表現するしかないと思う。  地下なのに広大な空間。松明やランタンの光では、どこまで広いのか到底判別つかない。  しかし、何より凄いの...
休日は神官戦士!

光の神の加護

輝きが静まった後は、まるで違う世界の様だった。  今までは松明とランタンという頼りない光源だったため、ろくに見えなかった礼拝堂の細部がよく見える。絨毯の模様や痛み具合、壁に描かれた竜の壁画。そして、戦っていたゴブリン達が目を抑えて床で転げま...
休日は神官戦士!

第2ラウンド!

倒れ伏したホブゴブリンを見て『チッ』と舌打ちする奇妙なゴブリン。仲間が倒された怒りとかではなく、期待していた戦力が当てにならなかったという悔しさから来るものの様だ。 『お嬢、そのまま!』  ディーンの声が聞こえた次の瞬間、頭の上を何かが通り...
休日は神官戦士!

いざ、決戦!

ついにこの時が来た。  左右の部屋は確認した。囚われていた商人は開放し、遺跡の外に送りだした。戦闘に支障が出ない程度の宝も手に入れ、もはや後顧の憂いは無い。  今、私達の目の前には、遺跡の奥に続く通路を塞ぐ、大きな両開きの鉄製のドアがあった...
休日は神官戦士!

一桁違ったみたい

「龍治ー? ちょっとおばあちゃんに電話するから、適当に時間潰しててー?」  階段下から二階にいる龍治に声をかける。 「らじゃー」  ちょっと気になったので、一言付け加える。 「…タンスとか勝手に開けるんじゃないわよ?」 「………らじゃー」 ...
休日は神官戦士!

銅貨はどうかな?

気を取り直して、考えるべきことを考えよう。  指輪の詳細? この世界で【ロア】の呪文を使える魔術師を探すなんて、それだけで大きなクエストになってしまう(なってしまった)今考える事ではないだろう。  ゴブリン退治? ふむ。考えるべき事ではある...
休日は神官戦士!

指輪と魔法はどのくらい?

その輝きは一瞬とも永劫ともつかない間続き、そしてそれが収まったときには『私』の手の中(正確には鎖帷子の小手の中)から指輪は消えていた。 『くっ! 今の光は一体… はっ? 大丈夫ですか、マスター!?』  『私』は慌てる魔術師を静かに諭す。 『...
休日は神官戦士!

左の部屋には何がある?

雑多、という言葉がこれほど似合う部屋もないだろう。  部屋の大きさは右の部屋と一緒。違うのは、正面奥に拷問器具ではなく古めかしい机と椅子、右の壁際には書棚があり、左側に寝台があること。元々は司祭の部屋だったと思われる。だが… 「元々は司祭の...
休日は神官戦士!

毒?なにそれこわいの?

『気が付きましたか? 私は光の神の神官シャイン。貴方はゴブリンに囚われていたのです』  男性はゆっくりと周囲を見回し、ハッと気づいて自分の体を確かめる。 『…そうだ、私はゴブリンに捕まって…あれ!? 痛みが、あいつらに嬲られたはずなのに…』...
休日は神官戦士!

右の部屋のうめき声

松明とランタンの明かりを頼りに、改めて部屋を見回す。  そうすると、奥行きは見通せないが横幅は12m程で、真ん中を通路とするとそれを挟むように等間隔で柱が建っていることがわかる。 『やはり何かを祭っていたようですね。この造りは神殿と言ってい...
休日は神官戦士!

ゴブリンをどうする?

見張りのゴブリン2匹を仕留めた後、『私』達は少し様子をうかがう。異変を感じた他のゴブリンが中から出てきたら、続けて片付けたいところだけど… 「入口の付近は静寂に包まれていて、中から何かが出てくる様子は今のところ無い。次はどうする?」 「むぅ...
休日は神官戦士!

技能を決めて遺跡に行こう!

1時間ほど離れた遺跡に向かって『私』達は歩を進める。待ってなさいゴブリン達、この神官シャインがあなた達の非道を止めて… 「そうだ真輝ちゃん、このサプリメント使う?」 「む、せっかく気分出してたのに…サプリメントって健康補助食品のこと? 私達...
休日は神官戦士!

装備を整えよう

それは正に、一つの芸術品と言って良かった。  施された精緻な彫刻。磨き上げられ、鏡のように輝く表面。各部品は巧みに繋ぎ合わされ、まるで隙間なんて無いかのよう。それでいて、あらゆる衝撃を弾き返す為に配置が工夫されている。  戦場と言う、死と悲...
休日は神官戦士!

盗賊ディーンの「目」

一連の流れを見ていた盗賊ディーンが、不愉快そうに吐き捨てる。 『けっ! どいつもこいつもガキにいいように丸め込まれやがって、情けねぇ』  そして『私』を一瞥すると、からかうような口調で喋り始める。 『で、俺も救ってくださるってのか? 笑わせ...
休日は神官戦士!

魔術師カイヴァンの「力」

忠実な仲間を得た『私』は、次に魔術師の方を向く。 『フッ、脳の足りない愚者は言いくるめたようだが、このカイヴァンにまで通じると思っては困るな』  魔術師は軽く頭を振り、自信の有る、しかし悲しげな顔で語る。 『言っておくが、先ほどの手は私には...