後始末…え?

「「ばんざ~い♪」」

 2人で大喜び。なにせ本命の【金貨】で最大値の8000gpが出たのだ。半分にしても4000gp、これが喜ばずにいられようか。

 え? まだ【宝石】と【装飾品】があるだろうって? …察してくれる?

「他は全滅…ってのは流石に可哀想だから【その他のアイテム】から何か一つ出たことにします。(コロコロ)【巻物】だね」

 おお。龍治、気が利く(?)わね。

「おお~♪ 龍っち、そうやって後から付け足すのって女の子にポイント高いよ♪」

 うんうん♪

「この前言われたのと180度違うんだけど…」

 あら、そうだったかしら(すっとぼけ)

 

『【巻物】ですか…今読むのは少し怖いですね』

 カイヴァンが少し怯んで言う。無理もない、【巻物】は千差万別だ。

 高位の呪文が書いてある物もあれば、読み手に凶悪な呪いをもたらす物もある。気軽に読むものではない。

『街に戻ってからでよかろう。そういえば、首尾よく馬も手に入れたようだな。結構なことだ』

 【天馬】を見やりつつ言うクィーン。…そうだ、そのことで一言あったんだった。

『あの、クィーン? あの子は【天馬】であって馬ではありません』

『ん? 四本足ではないか』

『普通、馬に翼は付いてません。…人と同じように』

『我らは付いておるぞ?』

 ………

『…何で付いてるんです?』

『…何で人には付いてないのだ?』

 『私』は種族の間に横たわる巨大な壁を実感した。

『調教の必要がない?』

 街に戻った翌日、天馬【ルル】を預けた厩舎に顔を出した時に、係員から言われた言葉である。思わず復唱してしまった。

『ええ。この子どうやらこっちの言うこと全部理解してるようで、何も教える事ないんですよ。必要な馬具を用意すれば、すぐにでも乗れますね』

 流石人間並みの知能を持つと言われる【天馬】、一説では神の使いとも称されるだけはある。

 あ、そうだ。

『ルル、1+2は?』

『ブルッブルッブルッ』

 おお、合ってる。

『マ…じゃなかった、シャイン? ロー君と比べるのやめようよ。…今回頑張ったんだから』

 鏡…じゃなくアリシアに呆れられてしまった。それもそうね。…本人居なくてよかったわ。

 次は財宝と経験点の計算である。フフッ♪

財宝

 ダイアモンド=4000gp

 グリフォンから取れた素材=ざっくりと500gp

 巻物=不明

経験点

 シナリオクリア=1000

 財宝=4500÷5=900

 グリフォン退治=1500÷5=300

 頑張ったローデリック=+100

 

 と、言う訳で♪

 

経験点一覧(今回+前回残り)

 シャイン:2420+1905=4325(3000で【神官】レベルアップ)残1325

 アリシア:2200+1811=4011(3600で【吟遊詩人】レベルアップ)残411

 ローデリック:2530+1173=3703

 カイヴァン:2420+386=2806

 ディーン:2420+1973=4393(2400で【盗賊】レベルアップ)残1993

「「レベルア~ップ!♪」」

 またもや2人で大喜び。特に鏡子は初めてだから、感動もひとしおだろう。

「嬉しいよ~~、前回は眺めてるだけだったから…あの疎外感はおかしいって!」

 あらら…まあ私は4人分やってるから、誰かしら上がるしねぇ。

「じゃあ、鏡子もキャラクター増やす?」

 6人までならパーティとしてアリだと思う。7人以上だとちょっと多過ぎるかしら?

 そう聞くと、鏡子は少し悩んだけど…

「ん~~、いいや。アリシアだけで慣れちゃったし、何て言うか…感情入れづらそう? マキはよく4人分出来るね」

 と返してきた。そう言われるとそうなんだけど、

「ん~~、私もなんかこれで慣れちゃったのよね。例えて言うなら…西遊記の三蔵法師の気分?」

 不肖の弟子を3人連れた旅の僧侶。うん、正にそんな感じ? なんか放っておけないっていうか。

「あ~~あ~~あ~~、確かにそんな感じしてるね。そばに置いとかないと不安になる?」

 うんうん、と2人で頷く。

「幼稚園の先生みたいだね。それはそうと真輝ちゃん? ルルは特別にポニーのペガサスとします。可愛がってやってください」

 おお!? こんなに嬉しいご都合主義があるだろうか。

「ありがとう龍治! フフッ、これでシャイン達の冒険はさらに広がりまくるわよ!」

「マキおめでと~、じゃあ色々アイテム買い揃えなくっちゃね。買い物付き合うよ?♪」

 う…で、でも確かにその必要はある。ええぃ、ここは必要な出費と考えよう。

「あ、ありがと…あ、でもルルに乗って旅をするっていうなら色々考えないとね。パーティの荷物の配分とか?」

 空を飛ぶこともあるルル(逆かしら?)に乗るなら、荷物は最小限にするべきだろう。

 私? 私はもちろん軽いわよ(反論不可)

「そだね。あ、ならシャインもアリシアと同じ【レザーアーマー】にする? その方がルルに良いんじゃない?」

「それもアリね。ACが16より下がっちゃうけど、レベルも上がってHP増えるし、上手く立ち回ればいいかしら」

「そうだ! いっそグリフォンの皮で作れないかな? あれだけ硬かったんだし、凄いの作れそうじゃない?」

「それ採用! 上手い事二着分作れれば、お揃いになるわね!」

 と、私たちが盛り上がってると、

「AC16…?」

 そう呟きつつ、龍治は8面体サイコロを2個とりだして振る。(コロコロ)5と6…11?

 しばしそれを眺めた龍治は、改まって私達に向き合い、頭を下げて宣言した。

「二人ともごめんなさい。【フォーチューン大陸】は滅亡しました」

 ………

「「…は?」」

 私と鏡子の反応が、完全に一致してた。