以上、回想終了。というか思い出したら腹立ってきたわね。
「考えたら重要なところ何も決まってないじゃない! これでどうシナリオ作れっていうのよ!」
天を仰いで愚痴る。いえね、これでも考えたのよ?
まず龍治のキャラの立ち位置なんだけど…
・神殿でシャインの後輩→なんで黒騎士?
・ルシア繋がり→接点どこにもないんだけど?
・領主の密偵→黒騎士の理由は?
・盗賊ギルドで…→それは盗賊であって黒騎士ではない!
この時点で躓いちゃってるのよ! 結局ここが解決できてないから、シナリオを考えていても、
「なんで黒騎士が【イースト・エンド】でそんなことしてるの?」
って考えちゃうとペンが止まっちゃうのよ!
というか、その先の展開を考えるとシャインと雌雄を決する未来しか見えないのよね。どうしたものか…
と考えてると、隣の部屋と隔てているふすま越しに、
「真輝ー? まだ起きてるのかい?」
と声が掛けられた。そうだ、私には頼れる先輩が居たんだった!
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経緯を話すと、お父さんは笑って、
「はっはっはっ! 龍治君はそっち側だったか」
と返す。そっち側? 私が首を傾げると、
「ああ、好みの問題さ。何て言うか…戦隊ものだと熱血の赤じゃなくて、ニヒルな黒や、最初は敵だけど途中で味方になるようなキャラが好きというやつさ」
なるほど、確かにそんな感じかも。
「でね? 黒騎士ってことを考えると、私のキャラと絡ませようがなくって…」
と悩みを言うと、
「うん、別に絡ませなくていいんじゃないか?」
「え?」
「龍治君がプレイヤーで、真輝がGMなんだろう? 結局NPCになるんだから、無理に絡める必要ないだろう」
あ、そうだ。私はGMだったんだ。シャインを無理に出さなくてもいいんだ。
なにか胸にストンと落ちた気がした。
続いてお父さんは、冒険の舞台である【フォーチューン大陸】の地図を見て、
「縮尺は…なるほど、これだけ大きいんだからどこか別の場所で始めていいんじゃないか?」
地図を見る目に、懐かしさが篭っているように見えるのは、私の気のせいじゃないだろう。…お父さん達も幸宮の地図を使ったのかな?
「どこか別の…黒騎士に似合うような場所?」
そう呟いた時、私の脳裏に「過去の私」の声が響いた。
「真ん中は…いっそ砂漠でいいかしら? 何かヤバイ奴が居るんでしょ、きっと」
ハッとして改めて地図を見る。そうすると、頭の中で色々な事柄がどんどん繋がっていく。凄い! 今まで悩んでたのが嘘みたい!
それを見ていたお父さんは、安心したように、
「何か思いついたようだね。でも今から全部まとめると時間がかかるから、要点だけメモしておいて明日の朝にやりなさい。じゃあ、お休み」
と言って立ち上がり、部屋を出ていく。
「はーい、ありがとう! お父さん♪」
返事をしつつメモを取り始める。お父さんに聞いてよかった!
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そして現在、午後十時前。書き込んだルーズリーフを片付け布団に入る。
「ふふ~♪」
明日を考えると、楽しみで変な声が漏れる。龍治はどんな顔をするかしら♪
