鏡子の人でなし!(正しい意味で)

「次は職業? どんなのがあるの?」

「職業は4つね。【戦士】と【神官】と【魔術師】と【盗賊】よ」

 そう聞くと、鏡子はちょっと首を傾げ、

「それだけ? 歌手とかって無いの?」

「歌手がどうやって冒険するのよ…」

 戦闘中に歌でも歌うの? それって敵味方全部に影響しちゃわない?

 どう言おうか考えてると、龍治がさらっと言い放つ。

「あるよー」

「あるの!?」

 言いつつ、龍治は一冊の薄い本を取り出す。

「こっちの追加ルールにね。名称は歌手じゃなくて【吟遊詩人】だけど」

 そう言ってページを捲り、こっちに見せる。そこには竪琴を構え、優雅に音楽を奏でるエルフの女性のイラストが描かれていた。

「あ、これいい! 龍っち、あたしもエルフにしていい?」

 どうやら職業だけじゃなく、種族もヒットしたらしい。

「了解。じゃあ能力値の修正からだね」

「へ~そんなのあるんだ。やっぱり人間とは違うから?」

 思わず感心する。人間でも黒人さんとか身体能力高いって言うしね、種族から違うんじゃ当たり前か。

「うん。結構違いがあるよ」

「まずは【筋力】から。エルフは華奢きゃしゃなので-1されます」

「う、種族的なものじゃ、しょうがないかぁ」

 鏡子が残念がりつつ数字を訂正する。下がるのってなんか嫌よね、わかるわかる。

「次に【知力】で、エルフはとても頭が良いので+2です」

 なにィ!?

「お~! てことは14? クラスで1位とかじゃない? いや~種族じゃしょうがないよね~♪」

 ぐぬぬ…

「【信仰心】は人間と同じで変わらないけど、【敏捷性】は高くて、やっぱり+2されるね」

「お~~! こっちも14? いや~マキと差がついちゃうね~♪」

「ちょっと龍治! エルフって有利過ぎない!? これじゃあ、みんなエルフになっちゃうんじゃないの!?」

「ああ、大丈夫。そうならない決定的な理由が有るから」

「「へ?」」

 私と鏡子の声が重なる。

「冒険者にとって、ある意味一番重要な【耐久力】。これがエルフは-2されるんだ。人間に比べて打たれ弱いんだね、種族的に」

「え~~~!? じゃあ16になっちゃうの? あたしの一番の長所なのに~」

 ショックを受ける鏡子。それでも十分高いと思うけど、まあ仕方ないわよね。そう言う種族なんだから♪(意地悪)

「あらあら、【筋力】も【耐久力】も下がっちゃったわね。それじゃあ体もちっちゃくなっちゃうんじゃないの? 特に胸とか」

 口に手を当てて、ちょっと煽ってみたりする。

「う~~、元々ちっさいマキにこんなこと言われる日が来るなんて…」

 ちっさい言うな。

「む~、ねぇ龍っち、胸はおっきいままでいい?」

「え? あ、うん、そこは個人差だと思うし…」

 おい。

「え~と…ああ、最後に【魅力】が+1されるね。エルフは美人で気品が有るから」

「あ、それわかる。漫画とかでもエルフで不細工って居ないよね」

 む、それは確かに。

「じゃあ17か~、もう一声欲しいかもだけど、いっか。先輩のマキをたてないとね♪」

 一言多い。とりあえず修正後は以下の通りね。

筋力 :10(±0)

知力 :14(+2)

信仰心:12(+1)

敏捷性:14(+2)

耐久力:16(+3)

魅力 :17(+3)